薬急便を支える高精度ウェブスキャン
:format(jpeg))
ドラッグストアや薬局を中心とした医療機関のDX推進を支援している株式会社MG-DX。サイバーエージェントの100%出資で設立された同社は、薬のモバイルオーダーやオンライン服薬指導などに対応する「薬急便(やっきゅうびん)」というサービスを提供しています。
「薬急便」は、薬の受け取りを便利にする処方せん事前送信や服薬フォローアップなど、患者に寄り添った各種サービスを提供しています。そして薬の情報を正確に管理するために「電子お薬手帳」という機能も装備しています。その「電子お薬手帳」による二次元コード読み取りにスキャンディットが採用されています。
「スキャンディットはウェブ用SDKの品質が良くて使いやすく、開発も簡単でした。オープンソースからの乗り換えを比較検討したときに、エンジニアもスキャンディットしかないと評価しました」
課題
「薬急便」とは
株式会社MG-DXが開発しサービスを提供している「薬急便」は、お薬を販売しているドラッグストアや調剤薬局に導入されています。「薬急便」の利用者は、スマートフォンで撮影した処方せんの画像を事前に送信するだけで、希望する薬局やドラッグストアでの受け取り予約が可能になります。
また「電子お薬手帳」により、処方された薬の情報を正確に管理できます。
「電子お薬手帳」は日本薬剤師会の「e薬Link (イークスリンク)®」にも対応し、他の電子お薬手帳アプリの情報も閲覧できます。さらに処方薬の配送サービスも提供し「薬急便」を利用する患者は増えています。
「電子お薬手帳」の課題
2020年のサービス開始から順調に利用者を増やしてきた「薬急便」ですが、提供から約2年が経過した頃にカスタマーサポートへ「電子お薬手帳」に関する問い合わせが増えてきました。
その内容について、株式会社MG-DXのプロダクト開発本部で開発責任者を務める山本浩二氏は、次のように振り返ります。
「電子お薬手帳では、スマートフォンのカメラで二次元コードを読み取って処方された薬の情報を登録できるのですが、その読み取り精度に課題がありました」。
医療用バーコードの問題
同社の開発本部では「電子お薬手帳」の二次元コード読み取りにオープンソースのライブラリを利用していました。開発段階では「薬急便」の利便性を経験した患者の多くが、オンラインでのサービスを積極的に利用し、二次元コードを読み取る回数は少なくなると想定されていました。
しかし、実際にサービスの提供を開始してみると想定していたほどオンライン化は進まず、二次元コードの読み取りを継続的に行う患者が多いことが分かりました。加えて、医療用の二次元コードには数多くのバージョンがあり、オープンソースのライブラリでは対応に限界がありました。
こうした課題を解決するために、スキャン用ソフトの変更が検討されました。
解決策
2つの方向性を検討
オープンソースを利用した二次元コード読み取りを改善するために、開発本部では2つの方向性を検討しました。1つはスマートフォンに対応したネイティブアプリの利用です。しかし、その選択には課題がありました。
「薬急便」はクラウドサービスとして提供されているので、スマートフォンやPCのウェブブラウザからも利用できます。もしも、二次元コード読み取りにスマートフォンのネイティブアプリを採用してしまうと、クラウドサービスの大掛かりな改修が必要になるうえ、ウェブラウザのみで利用できるというサービスの強みと利便性が損なわれてしまいます。
また、途中からサービス内容を切り替えるには、大きなリスクが伴います。さらに、ネイティブアプリの利用では、スマートフォンの利用者にインストールやアップデートなどの負担がかかります。
6社のサービスを比較
そこで、2つめの方向性としてクラウドサービス側のWebアプリと連係できるスキャニング方法を検討することになりました。
その結果「6社くらいのスキャニング製品を検証して、スキャンディットのウェブ用SDKが圧倒的に高い性能を示してくれました。ネイティブアプリと遜色のないスキャン性能を実現していました」と山本氏は選定の理由に触れます。
ウェブ用SDKを高く評価
スキャンディットのウェブ用SDKが選ばれた理由について、開発本部では性能とSDKの品質に加えて、既存のサービスへの組み込み易さを高く評価しています。
選定にあたっては、比較検討に加わったエンジニアからも高い支持が得られました。検証の過程では、わざと読み取り難くした二次元コードを用意して、正しく認識できるか試されました。
その結果でも、スキャンディットは高い読み取り精度を実証しました。
山本氏は「エンジニアは『SDKが気が利いている』と評価しています。サービスに組み込みやすく、自前で実装しなければならない要素が少ないので、開発も容易だったと話しています」と説明します。
エンジニアからの圧倒的な評価
例えば、医療分野で使われている二次元コードの中には、情報が分割されているケースがあります。そうした二次元コードの読み取りでは、分割された情報を再構成するためのプログラムを独自に開発しています。
それに対して、スキャンディットのウェブ用SDKには、分割されて読み込んだ情報を自動的に組み立てるライブラリが実装されています。
充実したSDKの対応やスキャン品質の高さ、開発段階でのサポートの丁寧さが、開発に携わっているエンジニアからも高く評価されました。
結果
スキャニングの問い合わせがゼロに
スキャンディットのウェブ用SDKを「電子お薬手帳」に採用した成果について、山本氏は「カスタマーサービスへの問い合わせの中で、二次元コードのスキャニングに関するトラブルはゼロになりました。開発本部としても、結果にとても満足しています」と話します。
店舗内オンライン服薬指導にも採用
さらにスキャンディットのウェブ用SDKは「薬急便」が提供している薬局特化の接客AIエージェント「オンライン服薬指導AIエージェント」にも採用されました。患者が店舗内でオンライン服薬指導を受ける時にかざす二次元コードの読み取りにも、スキャンディットのウェブ用SDKが使われています。
今後に向けた取り組みについて、開発本部では患者や薬局のサービス向上のために、二次元コードだけではなく処方せんに記載されている文字や数字の情報もデジタル化していけないか検討しています。
:format(jpeg))